• 福老 後藤 恭成

心気神経症について

[どんな病気か]

さまざまな診察や検査によって、身体的な病気が存在しないことがわかっているにもかかわらず、自分がなんらかの病気にかかっているのではないかという心配が頭から離れずに不安になりやすいことを、「心気的」といいます。この状態がとくに強くなり、日常生活上さまざまな困難が生じてくると、心気障害と呼びます。正常な範囲の心拍数(しんぱくすう)の増減や、軽い下痢(げり)や微熱、発汗(はっかん)などに敏感に反応して、「自分は心臓病ではないか」「がんではないか」など、病気にかかっていることを心配します。検査をくり返して、医者に病気ではないことをいくら説明されても、その心配が強いため納得できず、何か所もの病院を渡り歩いたりすることもあります。  心配の対象となる症状はたくさんの種類があり、頭痛、めまい、耳鳴り、腰痛、肩こり、手の震え、便秘(べんぴ)、下痢などさまざまです。 「自分が病気なのではないかと心配・不安が高まる」→「自分の些細(ささい)な体調の変化に対して敏感になる」→「その結果、もっと心配・不安が高まる」→……といった悪循環がうまれて病状が悪化していくこともあるようです。この悪循環を精神交互作用(せいしんこうごさよう)と呼びます。 ●どう対応すればよいか  神経症性障害と同様、周囲の人からみれば、なぜこんな些細なことで心配になるのだろう、と思えることが多くみられます。しかし、その苦痛は当人にとっては、やはり耐えがたいものなので、「あなたは、からだは病気ではないのだから、そんなにつらいはずはない」といった態度で接せられてしまうと、本人は、まるで自分自身の存在が否定されたような気になることさえあります。やはりその苦痛で苦しんでいるのだという、つらさを共有してあげることが基本になります。 [治療]  軽症の場合は、他の神経症性障害と同様に、抗不安薬の使用によって、かなりよくなることが多いようです。しかし治りにくいことも多いので、やはり気長に構えるほうがよいように思われます。  患者さんは、もちろん基本的には症状がなくなることを望んでいるのですが、つらいということを聴いてもらえる、わかってもらえるというだけでもかなり楽になることが多いようです。  薬物療法に加えて精神療法、とくに森田療法(もりたりょうほう)という「症状をあるがままに受け入れる」考えを基本とする精神療法が、有効であるともいわれています。この森田療法は、心気障害のみに有効というわけではなく、他の種々の精神科の病気にも適用されています。





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